国会質問録

予算委員会

○河村建夫委員長 この際、國場幸之助君から関連質疑の申出があります。福井君の持ち時間の範囲内でこれを許します。國場幸之助君。

○國場幸之助委員 自由民主党の國場幸之助です。本日は、貴重な質問の機会をまことにありがとうございます。質問の冒頭でありますけれども、先ほど福井先生からもありました、先週の本会議で、不適切な発言が議場で行われたことに対しまして、大変遺憾に思っております。沖縄ではこれまで、米軍による事件、事故で多くの皆様が犠牲になっております。県民の心は深く傷つけられました。このことをあえて申し上げるとともに、国民の皆様には、沖縄が抱えているさまざまな課題に対して、共通の認識をお願いしたいと思います。そのことを強く冒頭で申し上げたいと思います。私は、本日、三つの質問を行いたいと思います。まず一点目に、安倍政権における沖縄の振興、そしてまた実績、課題について。二点目には、安定した政権基盤を持つ安倍内閣でございます。未来志向の沖縄振興、そして未来志向の沖縄の基地負担と抑止力のあり方、このことについてお尋ねしたいと思います。三点目には、本日、私がこのような貴重な機会をいただいた最大の理由だと思います。今、沖縄県で米軍機による事件、事故が相次いでおります。どうすれば実効ある再発防止ができるのか。このことを形のある成果を引き出すのが、私が与党議員としてこの場に立っている意義であると思いますので、大臣からの答弁をお願いしたいと思います。それでは、質問に入りたいと思います。安倍政権の沖縄振興に対する実績と課題についてお尋ねしたいと思います。沖縄県には、国土の〇・六%に約七割の米軍の専用施設が集中をしております。我が国の安全保障政策は自衛隊と日米安保を基礎としておりますから、その日米安保の大きな役割を担っている沖縄県があるからこそ日本の主権が保たれている、このように考えております。また、沖縄県は、アジアの主要都市とほぼ等距離にありますから、地理的な優位性から、アジアの成長を日本に取り込んでいく、このような大きなかけ橋としての役割も期待されております。つまり、安全保障と経済、アジアとのかけ橋、そういう側面から沖縄の課題を解決していくということが日本全体の国益にも直結をします。国家戦略としての沖縄振興、このことの意味もそこに凝縮されていると思います。  実際、沖縄県の景気は、五十一カ月連続で拡大をしております。復帰後以来、失業率は過去最低、有効求人倍率が一を超えたのも安倍内閣が初めてのことであります。この景況感の継続は特に観光産業で顕著でありまして、昨年はハワイの入域数も超えました。外航クルーズ船は、今、沖縄県が日本で一番多いわけでございます。地方税収の伸び率も、この十年間で沖縄県が日本一。全国で最も景気がいいと言っても過言ではないと思います。一方で、依然として多くの課題があるのも事実です。景気は改善しておりますが、県民所得は全国平均より依然として低く、そして、子供の貧困の比率、六十五歳以下の死亡率は全国でも最も悪化をしております。また、景況感の一方で、人手不足と事業承継もより深刻な課題となっております。また、勤労者世帯の消費支出は、この十年間、ほとんど伸びておりません。認可外保育園の割合と待機児童の割合も全国ワーストです。今議論が進んでおります幼児教育の無償化、認可外の保育園をどのように位置づけていくのか、沖縄県にとっては重大な関心事でございます。多くの有人離島がある一方で、サトウキビを始めとする離島振興、一次産業をどうしていくのか。また、残念ながら、男性の生涯未婚率や離婚率も日本で一番深刻であり、急速に一人世帯がふえております。引き続き、沖縄振興に政府の御尽力が必要でございます。そこで、沖縄担当大臣にお尋ねをします。政府の沖縄における振興策と諸課題についての認識と取組について、答弁をお願いします。

○江崎鐵磨国務大臣 ただいま國場先生からお問合せの件であります。今、沖縄の経済は着実に成長している一方で、國場委員御指摘のとおり、なお解決すべき課題も存在しております。例えば、沖縄の子供を取り巻く環境は、母子世帯の出現率が全国で一位であります。特に深刻な状況となっており、一方では、昨年一月から十一月の累計観光客の数はハワイを超えたものの、平均滞在日数や一人当たり消費額で見ればハワイの半分以下であり、観光の質という面では、今後検討すべき課題であります。政府としては、これらの諸課題に対していくため、平成三十年度の沖縄振興予算は、厳しい財政状況のもとではありますが、三千十億円を計上いたしました。この振興予算では、沖縄独自の給付型奨学金を始めとする人材育成のための予算及び返還基地の跡地を活用する沖縄健康医療拠点の整備のための予算を新たに計上いたしました。沖縄の産業イノベーションを推進するための予算、子供の貧困緊急対策のための予算などを増額いたしております。これらの予算を有効に活用し、沖縄振興を更に積極的に、総合的に進めてまいりたいと思っております。

○國場幸之助委員 大臣、力強い答弁をありがとうございます。引き続き、沖縄振興をよろしくお願い申し上げます。続きまして、島嶼経済を支える取組についてお尋ねをしたいと思います。島嶼県の沖縄にとって最大の経済の牽引役は、観光産業でございます。そして、観光にとって最大のインフラというものは、平和と安全です。今、沖縄観光が好調であるからこそ、かつての教訓を忘れてはいけないと私たちは考えております。それは、アメリカで起きた同時多発テロでございます。当初は、海の向こうの出来事であると考えておりました。しかし、アメリカで同時多発テロが起きたときに、わずか二カ月間で約四十五万人の観光客がキャンセルをし、中でも、修学旅行生の八割はキャンセルをしました。沖縄の失業率は一〇%目前まで悪化をしまして、改めて、島嶼経済にとり観光の最大のインフラは平和と安全であって、そして、観光産業の持つ経済の波及効果の大きさというものを我々は再認識をしたわけでございます。では、現在の沖縄を取り巻く地域の情勢はどうであるのか。私は毎週那覇空港を使って羽田空港と往復をしておりますが、最近は定時の離発着が大分おくれてまいりました。この最大の原因は、航空自衛隊のスクランブル。日本には今九十九の空港がありますけれども、那覇空港の南西地域におきましては、全国の約六割のスクランブルが那覇に今集中をしているわけでございます。そして、那覇空港の一つの特徴としまして、陸海空、三つの部隊が駐屯をする唯一の空港でもございます。さらには、尖閣諸島周辺の領海侵犯、領有権を主張する他国の潜水艦が接続海域へ潜航したまま侵入した事案など、緊迫した事態が続いております。このような厳しい環境下におきまして我が国の南西地域の安全を担っておりますのが、自衛隊と海上保安庁でございます。海上保安庁の第十一管区は、約千八百人の隊員がおりますが、日本最大の管区となっております。このうち沖縄県出身は六百五十三人と、全体の三分の一を占めております。ふるさとの海はふるさとの人間で守っていく、私はこれは望ましい姿であると思っております。そこで、小野寺防衛大臣と石井国交大臣にお尋ねをします。南西地域の治安と安全保障の構築のために、政府の対策というものをそれぞれ伺いたいと思います。

○小野寺五典国務大臣 國場委員御指摘のとおり、経済発展を進める上で、平和、安全は不可欠の基盤だと思っています。しっかりとした平和な地域をつくり、その基盤の上で経済発展を進める、それが大切だと思っております。今、南西地域の防衛についてのお話がありましたので、少し実態をお話しさせていただきます。南西地域は、その全長が約一千二百キロにも及ぶ広大な地域でありまして、平素から警戒監視を含めた必要な体制を保持しておりますが、沖縄本島及び与那国島以外には陸上自衛隊の部隊が配置されておりません。このような陸自部隊の空白地帯を早急に解消すること、これは、昨今の東シナ海の情勢など厳しさを増す安全保障環境に適切に対処するため、大綱、中期防に基づきしっかりと図っていく、その状況になります。与那国島には、平成二十八年三月に、我が国の領海、領空の境界に近い地域において、付近を航行、飛行する船舶や航空機を沿岸部から監視するための与那国沿岸監視部隊等を配置いたしました。また、委員が今御指摘ありましたが、南西地域におけるスクランブルは大変急増しております。平成二十八年一月には航空自衛隊の第九航空団を新設し、今までの二十機体制を四十機体制に広げ、沖縄の防衛のために私どもとして万全の体制をとっていきたいと思っております。また、空白地域でありますが、奄美大島、宮古島、石垣島等に、私ども、これからも自衛隊のさまざまな部隊を置きまして、この地域にしっかりとした安全をもたらし、それが経済の発展につながるよう努力をしてまいりたいと思っております。

○石井啓一国務大臣 尖閣諸島周辺海域におきましては、中国公船等の徘回、接近、領海侵入が繰り返されておりまして、外国海洋調査船の活動の活発化や外国漁船の活動が確認されるなど、尖閣諸島周辺海域を取り巻く情勢は依然として厳しい状況にございます。海上保安庁におきましては、こうした状況などを踏まえまして、一昨年十二月に決定をされました海上保安体制強化に関する方針に基づきまして、整備を推進しているところでございます。現在御審議いただいております平成二十九年度補正予算におきましても、大型巡視船二隻、新型ジェット機一機等のための予算を計上しております。引き続き、海上保安庁の装備、人員の充実など、海上保安体制の強化を着実に推し進めまして、南西諸島周辺海域を始めとする領海の警備、国民の安全、安心の確保に万全を期してまいります。

○國場幸之助委員 ありがとうございます。続きまして、安倍政権としてのこれまでの、基地負担軽減に向けてどのような取組をしてきたのか、そのことについてお尋ねしたいと思います。沖縄の気持ちに寄り添い、できることは何でもする、目に見える形で成果を出すというのが安倍政権のスタンスでございますが、今日までの実績と成果をお聞かせください。

○安倍晋三内閣総理大臣 まず初めに、冒頭、松本副大臣の発言について委員から厳しい御指摘がございました。沖縄の方々の気持ちに寄り添いながら基地負担の軽減に全力を尽くす、これが政府としての一貫した方針であります。そうした中で、松本副大臣から、先週金曜日、みずからの発言によって沖縄県民並びに国民の皆様に御迷惑をかけたので辞任したいという申出がありましたので、辞表を受理することとしました。政治家は、その発言に責任を持ち、有権者から信頼を得られるよう、みずから襟を正すべきであります。今後、速やかに後任の副大臣を任命するとともに、沖縄の基地負担軽減を始め各般の政策課題に、内閣として、これまで以上に気を引き締めて取り組んでまいります。そして、基地負担の軽減でございますが、戦後七十年以上を経た今もなお、沖縄には大きな基地負担を背負っていただいており、この事実を政府として重く受けとめています。沖縄の基地負担の現状は、到底是認できるものではありません。基地負担の軽減のため、できることは全て行うとの方針のもと、全力で取り組み、一つ一つ着実に結果を出してきています。まず、七年越しの課題でありました嘉手納以南の米軍基地の返還について、日米首脳会談で私からオバマ大統領に直接提議をし、面積にしてその約七割の返還について日米合意に達しました。この計画の一つである西普天間住宅地区の返還が既に実現しており、今後、健康医療拠点として活用することを目指しています。また、宜野湾市の市道を全線開通させ交通渋滞を緩和するため、計画を一部前倒しして普天間飛行場の一部土地の返還を実現しました。沖縄振興という観点から見ても、嘉手納以南で返還が予定されている約千ヘクタールにも及ぶ跡地を新たなまちづくりに生かしていくことは、今後の沖縄にとって極めて重要なプロジェクトとなると考えています。さらに、部隊の本土への移転も進めています。普天間飛行場に配備されていた空中給油機の本土への移駐は、十八年越しの課題でありました。十八年間できなかったのでございますが、安倍政権ができて、山口県そして山口県民、また岩国市民の理解を得ることができました。十五機全てを岩国飛行場に移駐したところであります。沖縄の海兵隊の海外移設、海外移転については、民主党政権時代には米議会で予算が凍結をされていました。しかし、安倍政権が成立をして、安倍政権のもと、米議会に対する凍結解除の働きかけなどにより、約九千人の要員をグアム等国外へ移転させる計画が本格的に進展してきているわけでございます。我々は、単に、最低でも県外とか、そういうスローガンを言うのではなくて、実際に県外に移転するために交渉をし、こうした成果を出してきているところでございます。  そして、二十年越しの課題であった北部訓練場四千ヘクタールの返還が実現しました。沖縄の米軍基地の約二割、本土復帰後、これは最大の返還であります。やんばる国立公園への編入、そして世界自然遺産への登録に向けた一歩となり、今後の沖縄観光のさらなる振興に大きく寄与するものと考えています。そしてまた、部隊移転や土地の返還に加えて、日米地位協定についても、締結から半世紀を経て初めて、環境や軍属に関する二つの補足協定の作成が実現をしています。今後とも、日米の強固な信頼関係のもと、沖縄の基地負担の軽減に全力を尽くし、一つ一つ着実に結果を出していく考えであります。

○國場幸之助委員 総理、ありがとうございました。続きまして、総理に、沖縄振興に対する思いも伺ってみたいと思います。歴史を振り返りますと、ことしは明治百五十年ですが、沖縄は、明治十二年に沖縄県の誕生となりました。さきの大戦では住民を巻き込んだ地上戦により多くのとうとい人命が失われ、二十七年間の米軍統治が続きました。本土は一九五二年のサンフランシスコ講和条約で主権を回復して高度経済成長へと突き進みましたが、同じころ、沖縄県には本土から米軍が多く移転をしてきました。同時に、敗戦によって失われた領土を取り戻そうと歴代の政権が尽力してきた事実は忘れてはいけないと思っております。岸信介総理は、一九五七年に初めて訪米をした際、当時のアイゼンハワー大統領との会談で、十年の期限を区切って沖縄の施政権の返還を求めようとしたことが、公開された外交文書で明らかになっております。佐藤栄作総理は、戦後初めて総理大臣として沖縄を訪問し、那覇空港で有名な声明を残しております。沖縄の祖国復帰が実現されなければ、日本にとっての戦後は終わらない。一九六五年八月十九日のことであります。橋本龍太郎総理は、普天間返還を最初のサンタモニカでのクリントン大統領との会談で議題に上げました。学童疎開での悲劇である対馬丸への思いも記憶に残っております。小渕恵三総理は、事務方が大反対する中、当時、日本国内で八つの、サミットの首脳会談、候補地がありましたが、最も可能性が低いと言われていた沖縄をメーン会場に決定をしました。鹿児島県出身の山中貞則先生は、初代沖縄開発庁長官、また唯一の名誉県民でもございます。梶山静六先生や、また先週御逝去されました野中広務先生や、沖縄振興に心血を注がれた多くの先生方は、今でも沖縄県民の心の中に残っております。そこで、総理に質問です。沖縄振興は、一地域の振興にとどまらず、歴史においても外交関係においても重要な位置づけを占めております。総理の沖縄振興にかける思い、お考えをお聞かせください。

○安倍晋三内閣総理大臣 さきの大戦で、沖縄は、国内で最も苛烈な地上戦の場となりました。痛ましい犠牲、そして筆舌に尽くしがたい苦難の歴史を経て、今私たちが享受する平和と繁栄があります。このことを深く胸に刻み、常に思いをいたす、そうあり続けなければならないと考えています。この歴史を決して風化させてはならず、次の世代に伝えていかなければなりません。そして、戦後も長らく米国の施政下に置かれ、本土復帰後の今もなぜ沖縄だけが大きな基地の負担を背負っているのか、そのような沖縄県の県民の方々のお気持ちを十分に理解し、真摯に受けとめなければならないと考えています。このようなさまざまな思いを胸に、沖縄の来し方行く末を思いながら、国を挙げて、沖縄の未来のため、基地負担の軽減そして振興に全力で取り組んでいく決意であります。長らく沖縄は米軍の施政下にあったわけでございます。そのことによって、産業の振興、インフラの整備等は大幅におくれていたのは事実であろうと思います。復帰後、例えば有効求人倍率は、昭和四十八年は〇・一九倍にしかすぎなかったわけであります。安倍政権では、先ほど申し上げましたように、しっかりと一つ一つ結果を出していく、負担軽減に結果を出していく。そして、安倍政権において、最も危険と言われているこの普天間の移設をしっかりと結果を出していきたい、こう考えておりますし、また、九千名のグアムへの移転、これをしっかりと進めていきたいと思うと同時に、いよいよ沖縄の発展を確かなものとしていきたい、こう考えています。観光客、ハワイを上回ろうと我々は考えました。そんなことは無理だ、随分言われました。しかし、実際に上回ることができた。ただ、もちろん課題があります。ハワイで観光客が使うお金に比べて、沖縄で一人が使うお金がまだ少ない。それに対応する、どうすればいいかということをまさに国と地域が一緒になって知恵を出し合い、協力して進めていくことが今求められているんだろう、こう思うところでございます。観光を推し進めてきた結果、ずっと沖縄の有効求人倍率というのは、例えば我々が政権をとる前の平成二十二年は〇・三一倍、二十三年は〇・二九倍、二十四年は〇・四倍です。そして、我々が政権をとって、〇・五三倍、五割を超えたわけです。そして、とうとう一倍を超えるに至ったわけでございます。この流れをしっかりとしたものにしなければならないと思います。特に、未来に目を向ければ、沖縄は、成長するアジアの玄関口に位置する地理的特性や日本一高い出生率といった優位性、潜在力を有しています。沖縄が日本の未来のフロントランナーとなるよう、安倍政権としては、那覇空港の第二滑走路の新設、クルーズ船の受入れ環境整備などを通じ、ハワイを超えた観光客数のさらなる増加を目指すなど、観光振興を図るとともに、アジア主要都市を結節する国際物流拠点の形成により、沖縄をアジアへのゲートウエーとしたい、こう考えています。その上で、沖縄県民に寄り添うということは、聞こえのよい言葉を重ねることでは決してありません。裏づけのない言葉だけの政治であってはならないわけでありまして、必要なことは実行であり、結果を出していきたい、こう思う次第でございます。このように、沖縄の振興を未来に向かって進めていく上においても、我々政府と、そして國場議員を始め地元の皆様としっかりと協力して前に進めていきたい、このように思っている次第でございます。

○國場幸之助委員 大丈夫です。ありがとうございます。続きまして、抑止力の維持と沖縄の基地負担軽減の両立についてお尋ねしたいと思います。安倍政権は、この五年間の実績として、今総理みずからも答弁ありましたように、復帰後最大の返還をなし遂げた北部訓練場の返還、これは二十年越しであります。普天間基地所属の空中給油機KC130十五機全機の岩国基地への移駐、これは十八年越しであります。普天間の返還合意は二十二年前に決定したことでございます。長年動かなかった事態を動かしたリーダーシップは、高い評価があると思います。同時に、返還合意がなされても、それだけ時間がかかるという現実もあります。今まで、基地負担軽減に関する日米の合意は、一九九六年のSACO合意、二〇〇六年の米軍再編、そして二〇一三年の統合計画とありますが、これらの返還を全て実現したとしても、それでもなお沖縄には、日本全体の六九・七%の米軍の専用施設が残ります。安全保障の最前線でもある沖縄には、一定の抑止力は、今後も必要性は高まることがあっても、簡単には軽減されないと思います。しかし、安定的な日米同盟の運用のためには、過重負担を軽減していかなければなりません。抑止力の維持と負担の軽減、この双方のバランスある未来志向の解決策として、在沖米軍基地の専用施設を日本国政府に移管する、その過程としての自衛隊との共同運用、共同管理という視点は大切だと私は考えております。自衛隊と米軍が共同で運用する機会をふやすことで、地域住民の感情の緩和にもつながりますし、在日米軍基地は日本の領土に存在している以上、我が国の主権を拡大するという試みは常に大切でございます。戦後百年まであと二十七年です。今こそ、二十年後、三十年後といった未来を見据えた日米安全保障のグランドデザインを描く時期でもございます。特に安倍総理は、安定した政権基盤と、世界七十六の国・地域を訪問し、六百回の首脳会談を行い、アメリカ大統領とも深い信頼関係を構築しております。次世代を見据えた、安倍総理にしかできない抑止力の維持と基地負担軽減の両立の策もあるのではないのか、その見解をお聞かせください。

○安倍晋三内閣総理大臣 沖縄の基地負担軽減について、さらなる将来ビジョンを描く必要があるとの御指摘は、沖縄御出身の國場議員のお考えだけに、重要な御指摘と受けとめたいと思います。同時に、まず重要なことは、現在の計画を前に進めていくことだろうと思います。地元の強い要望を受け、日米で合意したことを一つ一つ着実に実現していかなければ、真の負担軽減にはつながらないと考えています。また、第二次安倍政権になって、先ほど申し上げましたが、嘉手納以南の土地の返還計画を日米で合意できたことは大きな成果であると考えています。嘉手納以南の地域は、沖縄県の人口の約八割が集中する人口密集地であり、この地域に所在する米軍基地の約七割が返還されることになります。人口が集中し、そして政治経済の中心部である土地の返還は、その跡地を利用して、沖縄全体の発展に大きく寄与するものと考えます。SACO最終報告以降、計画に従い、既に沖縄の米軍基地の約二割が返還されていますが、日米で合意した計画が全て実現すれば、沖縄の米軍基地は、本土復帰直前の状態と比べて半分になるわけであります。米軍基地の半減目標を絵に描いた餅にしてはいけないわけでありまして、安倍政権は、まず何としてもこれを現実のものとすることが責務であると考えています。その先のさらなる将来ビジョンを思い描くに当たっては、我が国を取り巻く厳しい安全保障環境を改善していくことも必要であり、日米同盟の抑止力をしっかりと維持するとともに、積極的平和主義の旗のもと、地域をより安定化させるための努力も進めていきたい、こう思っております。抑止力をしっかりと維持していく。この抑止力というのは、沖縄も含めて全ての日本国民の命と幸せな暮らしを守るためのものであります。と同時に、そのための抑止力を担っていただいている沖縄の皆様の心に寄り添いながら、負担もちゃんと軽減をしていくということではないか。と同時に、この抑止力と密接に関係がある、地域の平和的な環境を、より平和にするように整えていくための努力を進めていきたい、このように考えております。

○國場幸之助委員 続きまして、米軍の事件、事故が相次いでいることに対する現状について、その対応についてお尋ねをしたいと思います。これは、私が今回この質問に立つ最大の意義であると思っております。安倍政権は、今、総理を含む多くの大臣から答弁がありましたように、沖縄の振興や基地の負担軽減に大きな実績を残しております。しかし、安倍内閣の評価というものは、沖縄において非常に厳しいものがあるのも事実でございます。その最大の理由というものは、これは、米軍が事件、事故を起こすたびに県民の怒りというものは当然政権与党に向かうわけでありますが、これだけ事故を繰り返す米軍に対して、日本政府は本当にアメリカに対して再発防止を本気で伝えているのか、政府は弱腰じゃないのか、また、沖縄の自民党議員は日本政府に沖縄の切実な声を本気で伝えているのか、私は常にそういう声にさらされております。繰り返しますが、沖縄県民の理解なくして日米同盟、日米安保というものは存続するものではありません。まず、なぜこれだけ米軍による事件、事故が相次ぐのか。これだけ連続するということは、一過性のものではなく構造的な要因があると思いますけれども、政府の見解をお聞かせください。

○小野寺五典国務大臣 日米安全保障の基軸となります在日米軍でありますが、この安全な運航があってこそ、そしてまた地元の皆様、特に沖縄の皆様の御理解があってこそ、私どもは、この機能がきちんと動くんだと思っております。防衛省としましてでありますが、これまで、米軍機による事故が発生した場合、事故等の重大性を勘案して、米側に対して再発防止の徹底や飛行停止を求めてきたところであります。例えば、最近でありますが、平成二十八年十二月に発生しましたオスプレイの不時着水や昨年十月に発生しましたCH53Eの着陸、炎上、先月に発生したCH53Eの窓落下事故については、事故後、直ちに米側に対して飛行停止を申し入れ、米側も実際に飛行停止をいたしました。昨年十月に発生したCH53Eの着陸、炎上の際には、専門的知見を有する自衛官を初めて現地に派遣をしまして、事故現場の状況を確認するとともに、CH53Eの安全性に関する米側の判断の根拠等を確認いたしました。また、先月発生しましたCH53Eの窓の落下の際には、事故があった普天間第二小学校にカメラを設置するとともに、監視員を配置し、米軍機が上空を飛行したとの報告があった場合に、米側に強く申入れをいたしました。私どもとしては、証拠をとって米側に強く申し入れております。また、ことしに入って二度の予防着陸を行ったAH1Zの予防着陸については、同型機全機の緊急総点検を実施するとともに、その間の同型機の飛行停止を求めたところであります。これを受けて、米側からは、同型機のヘリ全てについて追加的な点検を行い、点検が完了するまでは飛行を行わなかった、ヘリ部隊に対し抜き打ちの安全検査を行ったとの説明を受けておりますが、これを私どもはそのまま受け取るわけにはいきません。米側が実施した点検整備については、防衛省として、今後速やかに、自衛隊の専門的、技術的な知見を活用して、確認、検証を行う予定であります。いずれにしても、これまでも防衛省から米側に対し、事故等の重大性を勘案し、飛行停止等の申入れをしただけではなくて、自衛隊自身が専門的知識を持っておりますので、こちらも主体的に対応し、米側がしっかりした対応をしているかどうかを確認してまいりたいと思います。

○國場幸之助委員 防衛大臣、ありがとうございます。その際に、事故やトラブルがこれだけ続くということは、日米の、事故に対する、例えば緊急着陸、予防着陸、不時着でありますけれども、その認識が一致していない、そういう側面もあると思います。実際にアメリカは、予防着陸は事故ではないと平然と語っております。しかし、私は、警告灯がこれだけ短期間に基地の外で緊急着陸を促す状態が続くということは、日々の点検整備、メンテナンスに構造的な欠陥がある、このように認識をしております。これだけ続きますと、いずれ大きな事故やトラブルにつながりかねません。最近相次ぐ米軍事故について、防衛省の調査とアメリカ側の認識のずれについて、事実関係の説明を求めます。

○小野寺五典国務大臣 これは、実際、沖縄でたびたび起こるこのような事故あるいは予防着陸等について、私の方から、例えばこの全体の指揮をしております米太平洋司令官のハリス司令官にも申入れをしたところ、司令官の方からは、いや、それは安全なところに予防着陸をしているんだという説明がありました。ですが、私の方からは、いや、それは安全なところではないんだ、沖縄県民、地元の皆さんからしたら、自分たちの民有地の牧草地に着陸をしたり、あるいはホテルの近くに着陸をしたり、あるいは島民の方がそこで緊急の患者輸送をするために確保しているところに着陸をしている、これは決して米側が予防着陸をしたと胸を張って言えるのではなくて、そこは沖縄の皆さんから考えたら決して安全なところではないんだ、そういうことをしっかり考えてほしいと。これは、私ども、これからも繰り返し米側に申し伝えていきたいと思います。

○國場幸之助委員 お互いの認識が一致できなければ対策もとれませんので、その点は、引き続き、大臣からの力強い要請をお願いしたいと思っております。事故やトラブルそのものも問題でありますけれども、飛行再開が早過ぎる、つまり、原因究明が、説明が不十分なまま訓練が再び行われ、そしてまた事故やトラブルが続くということが繰り返されております。もちろん、米軍の方も練度を高めるために訓練を繰り返さなければなりませんけれども、軍の事情と同時に外交関係もまた、地域感情も踏まえた政治によるコントロールも大切でございます。かつて小渕総理と高村外務大臣の時代に、嘉手納飛行場で計画されていたパラシュートの降下訓練がありました。沖縄県議会と嘉手納町議会が中止を求める決議をしたことを受け、当時のフォーリー駐日大使が米国内と交渉しまして、その訓練の延期を実現したことがあります。つまり、政治主導でもって、安全性が担保されるまでの間、訓練再開を見合わせるとか、事故やトラブルの原因究明を追求するということは可能であると思っております。特に、安倍総理とアメリカの大統領との信頼関係というものは深いものがありますから、やはり政治がしっかりと安全保障をコントロールしていく、そのことについての見解を伺いたいと思います。

○安倍晋三内閣総理大臣 確かに、今防衛大臣から答弁をさせていただいたように、ヘリコプターの事故に至る前の着陸についての見解が違う、あるいは訓練の再開が早い、それは、沖縄の皆さんにとってそういう思いになることは当然だろう、このように思うわけでございまして、小野寺大臣からも強く米側に申し入れているところでございますし、また、この一連の事故等につきましてマティス長官からも謝罪があったわけでございまして、我々としても、今國場議員が言われたように、沖縄の皆さんの気持ちをしっかりと米側に伝えていきたい、ハイレベルに伝えていきたい、このように考えております。

○國場幸之助委員 ありがとうございます。今総理からありましたように、ハイレベルで伝えていくということはとても大切なことであると思っております。同時に、私はここで一つ提案をしたいんですけれども、やはり日米が、今、共同訓練、ジョイントユースというものがありますけれども、これを整備の段階から、点検や整備の専門家を交えた機材の安全性に特化した専門家の人材交流、研修などを名目に現状把握をお互いにすることができないのか。それが研修であっても結構だと思いますし、訓練の一環に、事故を起こさないといったことも含めた共同の取組というものが必要であると思っております。この提案についての御見解をお聞かせください。

○小野寺五典国務大臣 米側が運用する航空機、例えば今回のヘリ等でございますが、当然自衛隊も同じような装備を有しておりまして、自衛隊としても整備に関しての専門家がございます。また、米軍が定期的な修理を行う場合には、日本や周辺国の民間企業に発注をし、そこが整備を行うということもあります。私どもとしては、やはり、これから米軍に対してしっかりとした点検をしていただくということを強く申し入れることもございますし、また、それだけではなく、今委員から御提案がありましたように、自衛隊の知見を生かしての見方、そして、あるいは専門家、民間の企業も巻き込んだ形で、私どもとしてはしっかりとした体制をとっていただきたいということを申し入れたいと思います。米軍も、みずからの部隊の隊員を安全にさまざまな訓練や任務につかせることが、どの国の防衛大臣もこれは基本であります。米側も同じ考えとして、これからも安全な運航に努力していただけるものと思っております。

○國場幸之助委員 大臣、ありがとうございます。今大臣からもありましたように、確かに、定期の点検整備というものは民間企業が、これを委託している状況でありますけれども、やはり、数カ月に一回の定期の整備だけではなく、日々の安全の点検、メンテナンスということが重要であると考えております。もし、これが、いろいろな課題があるとすれば、私は、思いやり予算の一部を活用し、単に自衛隊の方が米軍の方に予算を出すという話ではなくて、自衛隊サイドのコミットメントを、交流する領域をふやしていくという観点から、思いやり予算という視点も大事であると考えております。訓練、整備、運用、管理というものを日米共同化し、基地を共同利用していく、そして、究極的には管理権というものも、私は、将来は、戦後百年という中長期の視点で日本政府へ移管していくことも大切だと考えております。そして、沖縄と日本とアメリカ、この双方が強固な信頼関係を構築するということが日本にとっての最大の抑止力の維持にもつながってまいりますので、その方向性を目指していただきたいと思っております。今、防衛大臣やそしてまた総理から答弁がありました。この点は外務大臣も大きなかかわりがあると思いますので、外務大臣からも発言をお願いしたいと思います。

○河野太郎国務大臣 外務省といたしましても、我が国における米軍機の運用に際し安全性が最大限確保されるのは、これはもう当然のことだというふうに考えております。私からも、ティラソン国務長官あるいはハガティ駐日大使と連携を密にして、しっかりと日本の考えを申し伝えると同時に、今御提案をいただきましたようなことについても、その実現に向けて、しっかり努力をしてまいりたいと思います。

○國場幸之助委員 自民党の立党の精神というものは、党の使命として、戦後体制、占領体制からの脱却というものをうたっております。それはすなわち、主権国としての主権を確立するということでございます。当時の沖縄は、米軍の統治下でありました。この自民党の党是というものを日本国沖縄県にも適用しなければ、日本にとっての戦後は終わらないと思っております。ぜひ、総理、また多くの大臣の皆様方にも頻繁に沖縄に足を運んでいただきまして、いろいろなレベルでの交流を、ぜひとも、獺祭や泡盛を飲みながら交流を深めていただきたいと思っております。沖縄県民の理解を得るということが、最大の日本にとっての抑止力でもあり、繁栄に直結をすると信じております。沖縄の戦後を終わらせ、日本の真の主権回復を図るという大きな仕事を、僣越ながら、私もともどもに頑張っていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

○河村建夫委員長 これにて福井君、堀内君、國場君の質疑は終了いたしました。