国会質問録

災害対策特別委員会

○野田聖子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。質疑を続行いたします。國場幸之助君。

○國場幸之助委員 自由民主党の國場幸之助です。初めての質問の機会をありがとうございます。戦後七十一年がたちますが、我が国は、紛争、戦争による戦死者はおりません。そういう国は、日本を含めて世界で十三カ国ほどあるそうです。しかし、我が国は、世界で最も深刻な自然災害の発生する国であります。平成二十七年の防災白書によりますと、一九四五年から七十年の間におきまして、自然災害による死者・行方不明者が数多く出ております。七万六千四百二十六人と出ております。そして、自然災害による死者が出ない年は一年間もないという特徴もあるわけでございます。私は沖縄県の選出でありますから、亜熱帯気候の沖縄に毎年台風が発生して、その被害も深刻でありますけれども、歴史的には大津波の被害もありまして、十八世紀に明和の大津波というものがありました。これは、宮古、石垣を中心に、約一万二千人の死者・行方不明者が出ております。そして、昨年の地震は、沖縄県で一万四千五百六十八回発生しておりますが、これは全国の地震発生の数の一二・二%を占めております。沖縄県の国土面積が〇・六%しかなく、人口が一%ということを考えますと、極めて地震の多い地域であるということがわかるわけでございます。私がここで言いたいのは、大規模な自然災害というものは時と場所と規模と人を選ばない、そのことがわかるわけでありまして、だからこそ、全ての政策の中に、自然災害に対する防災、減災という視点が極めて重要であると考えております。その点を踏まえた上で、まず河野大臣にお聞きしたいと思います。東日本大震災から五年の歳月を経ております。その災害に対する対応や復旧復興の過程で、さまざまな知見や教訓や課題や改善点というものが見えてきたかと思いますが、大臣のそれに対する見解というものをお聞かせください。

○河野太郎国務大臣 東日本大震災、あるいはその前の阪神・淡路、あるいは水害もございました。土砂崩れ、雪害など、非常に多くの自然災害を最近でも経験しているところでございます。そこから得られた教訓としては、全ての災害は想定外で起こるわけでございますので、しっかりとそれぞれに計画を立てながら、しかし、その計画に頼るのではなく、臨機応変にその場でプランニングができる体制をつくるというのが必要なんだろうと思います。また、被災者のニーズというのは常に多様でございますし、日時とともに変わってまいります。そうした被災者一人一人に寄り添える支援というのが必要であるということ。それから、これだけ大きな災害になりますと、行政が防災、災害を防いであげますというのは到底無理なことでございますので、行政は行政としてできることをしっかりやってまいりますが、国民お一人お一人、あるいは地域、職場といったところで自助、共助というものがなくてはならないというのが、これまで得られた教訓ではないかなというふうに思っております。我々は、この日本という自然災害の多い国にこれからも住んでいくことになるわけでございますので、これまでの経験から得た教訓をしっかり生かしながら、最新の科学技術を取り入れて、これから来るであろう災害にハード、ソフト両面からしっかりと備えてまいりたいと思っております。

○國場幸之助委員 ありがとうございます。多くの教訓があったかと思います。その上で、今後三十年以内に発生の確率が七〇%と見られております南海トラフ大地震やそして首都直下地震、これは、対策の推進基本計画の中でも減災目標というものが出されております。想定される死者数の約三十三万二千人から十年間でおおむね八割減少させ、首都直下地震に関しましては、最大の死者数の約二万三千人をおおむね半減というものが目標値として定められております。しかし、今大臣から答弁がありましたように、自助、共助、公助、ハード、ソフトも含めまして、一人一人の人命を守る、そのことを徹底することが極めて重要であります。その上で、河野大臣が中心となりまして、来るべき大規模な自然災害への、一人一人が主体性を持って備えるという趣旨の「防災四・〇」未来構想プロジェクトというものがあります。その構想に対する大臣の思いと、どのような効果、また、国民がどのように参画してほしいのか、この点についての答弁をお聞かせください。

○河野太郎国務大臣 これまで日本の国は、一九五九年の伊勢湾台風、あるいは九五年の阪神・淡路の大震災、そして二〇一一年の東日本の大震災、大きく三つの節目の災害があったと言えるのではないかと思っております。そのたびに我々は、法律をつくり、体制を見直し、あるいは国民にも呼びかけ、災害に備える体制をつくってまいりました。今私が懸念しているのは、最近の地球温暖化が気候変動につながり、台風が強く、数多くなり、また、極端な集中豪雨というのが見られるようになってまいりました。この来るべき気候変動による自然災害の激甚化に備えようというのが、この防災四・〇でございます。そのためには、先ほど申し上げましたように、国あるいは地方自治体といった行政だけがこのリスクと向き合うのではなく、国民一人一人がリスクと向き合っていただいて、それこそ午前中に議論のありました水や食料あるいは簡易トイレといったものの備蓄、あるいは災害保険への加入といった、リスクに備えるということをやっていただくと同時に、それぞれの地域で地域防災計画、地区防災計画といったものをつくり上げていただいて、地域の中でお互い助け合うという体制をとっていく、あるいは災害が起きたときにどういう戦略で復興していくかという、復興を見据えた戦略を事前に立てていく、そういうことが必要になってくるんだろうというふうに思っております。この防災四・〇は五月中にも取りまとめを行いたいと思っておりますが、国民一人一人の皆様に、災害のリスクというのは自分のことである、そう認識していただいて、それとしっかり向き合っていただきたいというふうに思っております。

○國場幸之助委員 ありがとうございます。続きまして、加藤大臣にお尋ねをします。大臣の所信表明にもありましたように、国土強靱化を実効あらしめるためには、国だけではなく、地方公共団体や民間の取り組みが不可欠でございます。都道府県、そして市町村の国土強靱化地域計画の策定状況と取り組み内容について明らかにしていただきたいのですが、その際に、国土強靱化地域計画と地域防災計画との関係についてもお尋ねしたいと思います。その役割というものは、国土強靱化地域計画は、想定し得る最悪の事態に対して脆弱性を是正するという事前防災の計画内容であると理解をしております。一方の地域防災計画は、災害が発生した後の対応が中心である、このように捉えております。国土強靱化地域計画は地域防災計画の上位計画と位置づけられている一方で、国土強靱化地域計画は策定が努力義務で、地域防災計画は策定が義務となっているのはどうしてなんでしょうか。その関係についてもお聞かせください。

○加藤勝信国務大臣 國場委員にお答えさせていただきたいと思います。  まず、国土強靱化地域計画の現状でありますけれども、十八都道県、十二市区町で策定済み、また、二十八府県、二十五市町村で策定中、こういうふうに承知をしております。強靱化の取り組みは、地域の住民の生命や財産を守る、また同時に、強靱化の取り組みは、地域の経済成長にも資する、こういうふうにも我々考えております。そういう意味でも、それぞれの地域において主体的に進めていただくことが重要でありまして、地方公共団体にはぜひ地域計画を策定していただきたいと思っております。私どもとしては、地域計画策定を促進していくために、地域計画策定ガイドラインの作成、また、説明会の開催、専門家の派遣を含む出前講座などを行っておりまして、こうした計画の必要性、そして、どうやったら策定をしていけるのかという策定手法の周知を図っております。さらには、これから地域計画を進めるに当たっては、関係府省における関連する交付金や補助金でしっかり支援していきますよということも申し上げながら、引き続き、この計画の策定に向けて積極的に支援をしていきたいと思っております。それから今、地域防災計画との関係がございました。国土強靱化地域計画は、地方公共団体の区域における国土強靱化に関する施策の推進に関する基本的な計画であり、当該地域の特性に応じ、より具体的かつ詳細に国土強靱化の推進に資する内容を定めることが期待をされております。また、法律のたてりからいえば上位というか、いわゆるアンブレラ的な、こういう指針を示すという、地域防災計画に対してもそういう立場になっていることは御承知のとおりでございます。立法過程において、地域計画の作成を義務づけるかしないかという議論もあったというふうに承知をしておりますが、国と地方公共団体とは対等、協力の関係にあって、それぞれの地方公共団体のみずからの判断と責任において地域の諸課題に取り組むことができるようにする観点をしっかり考慮すべきという判断に立ちまして、国土強靱化地域計画の作成を地方公共団体に義務づけることはしない、一方で、当該計画を作成することができるということにしたところでございます。また、災害対策基本法に基づく地域防災計画については、当該地域の防災にかかわりのある機関等が防災に関して処理すべき事務について広く定められている計画でありまして、災害対策基本法においては、国や地方公共団体は、総合的かつ計画的な防災行政の整備及び推進を図ること、そして必要な体制を確立し、責任の所在を明確にする必要があることから、地域防災計画の策定が義務づけられている、こういうふうに理解をしているところであります。

○國場幸之助委員 今の加藤大臣の答弁の中で、国土強靱化地域計画の策定済み、また策定中というところが、四十六都道府県でなされているということでありました。残る一県がどこなのかと調べましたら、沖縄県でした。しかし、沖縄の方も、私も県とのいろいろなやりとりの中で、今月中には取り組みをスタートします、そういうふうなことでありますので、事前に大臣に御報告をさせていただきたいと思います。続きまして、河野大臣にお尋ねをしたいと思います。今回、災害対策基本法の改正によりまして、自力避難が困難な高齢者や障害者を避難行動要支援者として、その要支援者の名簿作成というものを市町村長の義務と課していると思います。東日本大震災被災地全体の死者数は、六十五歳以上が約六割で、障害者の方の死亡率は被災住民全体の死亡率の約二倍ともなっております。こういった高齢者、障害者の方々の名簿作成というものは極めて重要であると思いますが、この名簿の作成と同時に、個別の避難計画の作成も、義務ではありませんが、求めていると思います。その進捗状況というものをお聞かせください。

○横田真二政府参考人 お答えいたします。御指摘の個別の避難計画と申しますのは、避難行動要支援者名簿作成のために消防庁と内閣府が示しました取り組み指針によりまして、避難支援の実効性を高めるために市町村に対して策定を促しているものでございます。この策定状況でございますが、平成二十七年四月一日現在で、避難行動要支援者名簿の作成が完了している市町村が九百六ございます。このうち、個別の避難計画が策定済みの市町村が二百九十四、率にして三二・五%、現在策定中の市町村が三百十六、率にして三四・九%となっております。消防庁といたしましては、市町村において個別の避難計画の策定が進みますよう、引き続き、関係府省庁、都道府県と連携して必要な助言をしてまいりたいと考えております。

○國場幸之助委員 私は、個別の避難計画の策定というものは極めて意義が深いと思っております。と申しますのも、私の選挙区、一市一町六村、七つの小規模の離島町村がありますが、どうしても小さな自治体は職員の数も限られておりますので、このような防災計画をつくるに当たっても、えてして外部のコンサルに委託をするというケースがあると聞いております。そうではなくて、自分たちの地域に住む高齢者や障害者の方々のお名前を確認し、どのように具体的に避難をさせていくのか、そうすることをつくるプロセスの過程において初めて、自分たちの地域の災害に真剣に向かい合う、向き合うきっかけをつくっていると思いますので、ぜひとも個別計画の推進には積極的に取り組んでいただきたいと思っております。続きまして、せっかく熊田政務官がずっと私のことを見ておりますから、質問しなければいけないということを感じております。私たちの国は、四百十八の有人離島を持つ島嶼国であり、そして世界第六位の排他的経済水域を持つ海洋国であります。今の避難行動要支援者の名簿、また個別避難計画にも重なってくるかと思いますが、私の選挙区の沖縄県も三十九の有人離島を持っております。その中で、自衛隊の持つ役割はさまざまありますが、災害時においても、また平時においても、離島の急患輸送というもので極めて大きな役割をしているわけでございます。しかし、離島の急患輸送というものは大変危険を伴う任務でありまして、殉職された隊員の方もいらっしゃいます。いわんや被害発生時には、避難行動要支援者、離島には多くの高齢者も生活をしております。個別避難計画をつくる際に自衛隊との連携というものは欠かせないわけでありますが、その際の自衛隊との平時の連携、訓練も含めて、現状と課題というものを示してください。

○熊田裕通大臣政務官 防衛省・自衛隊は平素から、政府部内や自治体における各種災害に関する計画策定、見直しへの参画、さまざまな防災訓練の実施及び参加などにより、関係省庁や自治体などの関係機関との連携強化を図ってきております。特に、離島における災害につきましては、一般的に、その地理的特性から、住民の避難や物資の輸送等の救難活動に際して輸送手段に大きな制約があるなど、対処に困難が伴うことが想定されております。そのため、離島における突発的な大規模災害への対処につきましては、例えば、平成二十六年度より、沖縄県総合防災訓練に連接した実動訓練、離島統合防災訓練等を実施してきており、こうした自治体を初めとした関係機関との連携強化を図るとともに、統合運用による自衛隊の災害対処能力の向上を図ってきております。防衛省・自衛隊といたしましても、今後も、各種災害に際し、国民の生命と財産を保護するため、平素からの取り組みに万全を期すとともに、関係機関とさらなる連携強化に努めてまいります。

○國場幸之助委員 済みません、山田政務官にも質問したかったんですけれども、申しわけありませんでした。ガイドラインが変わって、在日米軍基地のあり方、自然災害に対応するための自治体との関係について質問したかったんですが。あと、やはり日本という国は、災害大国であると同時に、これから、東京オリパラも含めまして、二千万人、三千万人という観光立国も目指しております。その際に、在日の、日本に生活をする多くの外国人や、そして海外からの観光客の安否確認情報の提供、そういった大使館との連携というものも重要な課題になってくると思いますので、その点は要請という形で発言をさせていただきまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。