国会質問録

経済産業委員会

○富田茂之委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。國場幸之助君。

○國場幸之助委員 本日は、貴重な質問の機会をありがとうございます。それでは、特定高度情報通信技術活用システムに関する法案について質問を行います。まず、新型コロナ対応でできることという問題意識で質問したいと思うんですが、この法案をこの時期に審議する歴史的な意義とタイミングとして、特定高度通信技術を活用し、いかに感染症との闘いに勝ち、経済再生に資するのかという時代の要請、課題克服にもあると考えます。事実、この法案の第一条「目的」にも、「我が国の安全保障に寄与することを目的とする。」と明記されております。サイバーセキュリティーや中国の通信機器も安全保障上の重要課題ですが、感染症というテーマも国家安全保障上の緊急課題でございます。この法案がどのように貢献できるのか、国民の命と健康を守るためにどのような余地があるのかについての答弁をお願いします。

○梶山弘志国務大臣 今回の新型コロナウイルスの感染症の拡大の局面において、我が国の課題というものも浮き彫りになってきたのも事実であると思っております。人と人との接触機会を劇的に減少させなくてはならなくなる中で、医療現場はもとより、産業活動から個人の日々の生活といったあらゆる面で、デジタル化やリモート化を急速に進める必要性が生じていると感じております。コロナウイルスの感染拡大を受けて、我が国では、デジタル化、リモート化は不可逆的なものとして進んでいくものと考えており、5Gやドローンはその根幹となるインフラとなると承知をしております。例えば、5Gは、テレワークや遠隔教育、オンライン診察等の一層の拡充につながります。ドローンは、議員の地元沖縄でも実証等が行われていると承知しておりますが、農業、離島間の物流、災害対応などで、日常生活や地域の課題解決につながるさまざまな用途での活用が見込まれているところであります。また、経済再生の観点でも、これらは、産業用ロボットの高精度な制御等を実現するスマート工場や、設備の多様なデータの収集、分析により生産性や操業の安定性を向上させるデジタルプラント、さらには都市の高度化を図るスマートシティーを実現するソサエティー五・〇の基幹インフラとなると考えております。それには、また、リアルデータをどう活用するか、どう収集していくか、どういった形で個人との権利を考えていくか、さまざまな論点があろうかと思いますけれども、将来像というのが少しずつ見えてきていると思っております。このように、デジタル化、リモート化の流れの中で、5Gやドローンがもたらす変革は、経済のみにとどまらずに、先ほど申しましたように地域の課題解決、安全保障を始め、社会のあらゆる分野に大きな影響を及ぼすと認識をしております。こうした認識のもと、セキュリティーが確保された安全、安心な5G等の高度情報通信インフラを早期に整備していく必要があり、5G、ドローン法案は、これらを後押しする重要な役割を果たす法案であると考えております。

○國場幸之助委員 答弁ありがとうございます。今大臣の答弁にもありましたように、リアルデータをいかに活用していくのか、このことも非常に重要なテーマだと思っております。そこで、次に質問したいことは、我が国として、特定高度情報通信技術活用に関する法案を通して、どのような日本型の5Gの姿を目指していくのか、この点について質問をしたいと思います。例えば、基地局のベンダーの世界シェアをふやしていくのか、日本からGAFAを誕生させていくのか、国際競争力のあるベンダー企業を公平な選定を経て絞り込んで、特化して支援するという方法もあるかと思います。また、大臣の答弁にもありましたように、日本の産業が本来持っている強さを生かして、そこにデジタルを掛け合わせていくのか、日本が目指す姿というものを示していただきたいと思います。

○西山圭太政府参考人 お答え申し上げます。今委員からお話がございましたとおり、5Gやドローンを使いました高度な情報通信技術、これを活用しましたシステムというのは、単に個別の技術の活用ということにとどまらず、まさにサイバー空間やリアル空間の融合を進めることで社会やビジネスモデルのあり方を大きく変えるものだというふうに認識しております。それについては、政府としてはソサエティー五・〇という言い方をしておりまして、これまでのインターネットを中心とした情報化社会の単純な延長線上にはないのだという理解をしております。その上で、特にこの5Gについては、技術的には、超高速大容量にとどまらず、超低遅延、あるいは多数同時接続といった技術を情報通信システムの中に埋め込む開発に注力をすることで、産業のあり方も、日本が強みのある製造業を含めて非常に大きく変わるんだというふうに理解をしております。例えば、多数同時接続の実現によって、工場のあり方もこれまでとは全く異なる、生産制御、保守管理、あるいはラインの組み直しにしても、これまでのあり方とは大きく変わるというふうに考えられますし、超低遅延の技術を活用することによって、例えば、将来的には、リアルタイムでデータを処理し、自動車の遠隔運転あるいは自動運転といったものが実現をされる可能性があるということであります。さらには、こうした技術を組み合わせることによって、例えば、スマートシティーと言われるように、かなり広範なビジネスや公共サービスを組み合わせたようなシステムが登場してくるのではないかというふうに理解をしております。そうした中で、これも委員から御指摘ございましたけれども、今、日本として取り組まなければならないのは、本法案や本法案に基づきます税制の支援のもとに、例えば、ハード、ソフトの面で技術力を高め、世界的に、国際的に連携もしながら競争力を高めるようなベンダーを育成するといったこともございますが、同時に、いわゆるユースケース、ソフト面での強化というのも当然必要になってまいります。先ほど申し上げましたようなさまざまな仕組み、いわゆるスマート工場やスマートシティー、あるいはさらにはスマート保安といったようなものについての多くは、いわゆる協調システムというものでございます。つまり、個々の企業だけでできるものではなくて、一定部分については協調領域を設けて互いにタッグを組む、オープンイノベーションを実現しないとうまくいかないということでございます。これは我が国のこれまでの企業の競争のあり方を大きく変えるものでございますので、そうしたことを支援できるように、昨年の情報処理促進法の改正によって生まれます、アーキテクチャーセンターと呼んでおりますけれども、その協調システムの構造、設計を担うような形でも支援をしてまいりたいというふうに思っております。そうしたものを通じて、単に個々の技術、企業のみならず、ビジネスのあり方、社会のあり方も含めて変革をしていくことでソサエティー五・〇を実現していくことが目標だというふうに考えております。  以上でございます。

○國場幸之助委員 答弁ありがとうございます。今ありましたように、やはりサイバーとリアルの融合というときに、私は端的に三つの課題があると思っておりまして、まず、リアルデータのデータ化というものがどれだけなされているのか。特に、日本の強さである中小企業といったところは、どうしても、現場感覚といいますか、以心伝心、アナログ、暗黙知という部分が非常にたくさんあります。しかし、そこに本当の強さが凝縮されていると思います。それをどうやってデジタル化していくのか。次に、デジタル化していったものを、どうやって、今答弁にもありましたように、社会全体で共有する環境をつくっていくのか。  三点目に、それが政策として活用されていくためには、自由にアクセスできるといった環境も大事だと思いますけれども、それら全体を構想して戦略として練り上げて、国際競争力を高める枠組みをつくっていく、また人材をつくっていく、こういったことが大切だと思っております。それができればすばらしいと思うんですけれども、今週の参考人質疑の中で私が印象に残ったことの一つに、有識者の先生から、やはり、この5Gであるとかソサエティー五・〇の成功の鍵というものは、どれだけ盛り上がるか、それが大事なんだという答弁がありました。総務省の第四次産業革命における産業構造分析とIoT・AI等の進展にかかわる現状及び課題に関する調査研究というものがありまして、これは総務省、経済産業省、国会図書館で調べたら、この調査しか出てこなかったんですけれども、それによると、我が国の企業のIoT、AIに対する盛り上がり、期待度は、アメリカは六三%、イギリス七〇%、ドイツ七六%である一方で、日本は三〇・八%しかないんですね。ちっとも盛り上がっていない。これはどうしてかというと、イメージがやはり湧いていないと思います。ですから、隗より始めよで、やはり行政、自治体から範を示していくことが大切だと思いますので、インフラも整ったから、その上でやはり経済産業省のビッグピクチャーというものを常に示していただきたいと思います。これは要望でございます。サイバーセキュリティーについてお尋ねしたいと思います。先ほど梶山大臣からもありましたけれども、私の選挙区には南大東島という島がありまして、そこでは、ドローンとかIoTとか自動走行、ビッグデータを活用したスマート農業の実証実験をしております。しかし、この実証実験のうち、5Gの特徴である自動走行や遠隔走行の際に必要とされる超低遅延、同時多発接続の技術というものは、いわゆるスマホの常識とされております超大高速、大容量という分野に比べ、まだ発展途上である、このような指摘も聞きました。そこで、やはりこういった技術の開発とサイバーセキュリティーというものは車の両輪で進めていかなくてはならないと思います。特に最近は、在宅勤務、リモートワークがふえてくると、おのずとサイバー攻撃の領域はふえてきますし、特にローカル5Gの同時多発接続、IoTといったものは無数に接続されますから、セキュリティーが弱いところから狙われます。特に沖縄県というところは島嶼県でございますので、海底ケーブルの陸揚げ場所にケーブルがむき出しの場所もありまして、そこにアクセスできないような施設の建設、対応といったものも、これはサイバーセキュリティーとは直接関係ないかもしれませんけれども、こういうところも大きな課題となっております。こういった点についての答弁をお願いします。

○二宮清治政府参考人 お答え申し上げます。委員御指摘のとおり、5Gの普及に当たりまして、サイバーセキュリティーは極めて重要な課題だというふうに認識をしております。5Gを活用したシステムは、今後、急速に普及をいたしまして、御指摘の自動走行並びに遠隔医療等の実現に向けた重要な社会基盤となることが見込まれているところでございます。本法案では、サイバーセキュリティーを含む安全性、信頼性の確保等を図るための指針を策定し、その指針に沿って、安全、安心な5Gシステムの開発供給及び導入に係る計画を認定いたします。その上で、各種支援策を講じることによりまして、サイバーセキュリティーの確保された5Gの早期普及を後押ししていくこととしているところでございます。また、総務省におきましては、本法案のほかにも、5Gネットワークに用いられるソフトウエアの脆弱性等の検証及びその対応策の検討や、ハードウエアに組み込まれる半導体チップの脆弱性を検知するための技術開発というように、ハード、ソフト両面に対する対策を実施しているところでございます。また、産業界におきましても、本年より、5Gの運用者などの間で、5Gシステムのリスクや脅威につきまして情報共有を行う枠組みが立ち上がっているところでございます。総務省といたしましては、これらの取組によりまして、5Gを活用したシステムについての総合的なサイバーセキュリティーの確保をしっかりと進めてまいります。

○國場幸之助委員 時間も来ますので、特定デジタルプラットフォームについて、法案について、一問だけ質問したいと思います。これは、規制法であるにもかかわらず、基本理念を定めております。透明性かつ公正性という理念を達成する。そのために、法案第九条で、年に一回、経産大臣に対して自己評価を付したレポートの提出が課せられておりますけれども、この対象であるデジタルプラットフォーム企業というものは、例えばグーグルの会社の理念というものを見てみると、世界じゅうの情報を整理して、世界じゅうの人がアクセスできて使えるようにする、そしてまた楽天についても、イノベーションで世界を変える、そしてアマゾンは、地球上で最もお客様を大切にする企業を目指していると。何が言いたいかといいますと、このプラットフォーム法案というものは、もちろん国家国民というところに、最後に法案の文章に盛り込まれておりますが、こういうデジタルプラットフォーム企業というものは、もう国家という枠を超えて、やはり人類、地球という規模で、そういうスケールでさまざまなことを目指しているわけでありまして、どのように実効性のある公正性と透明性を担保していくのか、その仕組みと、人的な資源も関係していると思いますけれども、この点について、最後に答弁をお願いします。

○西山圭太政府参考人 お答え申し上げます。今委員御質問ございましたとおり、デジタルプラットフォーマーというのは、全くこれまでにないビジネスモデルということで、幾つかの特徴を持っております。それで、今御指摘ございましたとおり、一つの特徴として、いわゆるネットワーク効果が働く結果として、規模も非常に大きくなりますので、グローバルに活動するようなデジタルプラットフォーマーが非常に多い。しかも、一つのデジタルプラットフォーマーが幾つかの事業を兼ね備えて実施するという場合も多いという特徴がございます。したがいまして、今回、私ども、このデジタルプラットフォーマーの取引の透明性、公平性についての法案を提出させていただいているわけでございますけれども、その検討に当たりましてはEUの規則も参考にしたという例にあらわれておりますとおり、こうした施策の実施に当たりましては、国際的な連携がまず非常に大事になってくるというふうに考えております。したがいまして、この法案の施行に当たりましても、関係諸国、さまざまな諸外国との間でも連携をしていくということが大事であるというふうに考えております。また、全く新しいビジネスモデルでありますことから、それに対する規制のあり方についても、これまでの手法とは異なるような手法を採用する必要があろうかと思います。この委員会でも、参考人質疑も含めて御議論があったかと承知しておりますけれども、特にデジタルプラットフォーマーという取引の実態については、何よりもデジタルプラットフォーマー自身にたくさんの情報、データがあるという実態がございますので、できるだけそういうものを積極的にデジタルプラットフォーマー側が開示するような環境をつくることを通じて適切な規律を導入したいというふうに考えてございまして、この法案の中で、毎年度、運営状況に関する報告の提出を受けて、取引の透明性や公正性の状況を評価することとしておりますのは、いわば、そうした共同規制やある意味での対話型の規制を導入することを通じてそうした環境をつくっていきたいという考え方に基づくものでございます。以上でございます。

○國場幸之助委員 ありがとうございました。